涼しくなってくるとどこからともなく漂う甘い香りに秋を感じますが、金木犀は寒さにとても弱く、北海道では冬を越せないのです。
というのも、金木犀はもともと江戸時代に中国の南部からやってきたもので、暖かい地域で育つ植物なのです。
そのときにやってきた雄株から挿し木で広がり、丈夫で育てやすいため人気となり、いまもあちこちに植えられていて、秋になるとこの匂いを嗅いでもうそんな季節かと感じることができているのでした。
確かに、うちの実家の庭でも何も手入れをしていないのにも関わらず、毎年勝手にきれいな花を咲かせて、あの特有の香りを放っていましたね。
続いて、そんな金木犀の北限について、また寒い地域で金木犀を室内で育てる方法もお教えしますよ。
金木犀の北限はどこ?屋外で育つ限界地点
北海道の気候では育たない金木犀ですが、国内で栽培できる北限は南東北エリアまで、具体的には太平洋側なら宮城県、日本海側は秋田県までだといわれています。
ということで、北海道だけではなく、岩手県や青森県でも金木犀をみるのは難しいのですね…。
その証拠に、金木犀が育つと言われている、宮城県の年間平均気温は13.5度、秋田県では12.5度です。
いっぽう育たないと言われている岩手県では11.2度、青森県で11.0度、そして北海道では9.3度です。
数字を見ただけでも涼しくなってきますね。
では最低気温はどうでしょうか?
金木犀が育つ地域にある宮城県の月最低気温※はマイナス0.8度、秋田県でマイナス1.7度程度です。
一方で金木犀が育たない岩手県ではマイナス3.6度、青森県ではマイナス3.0度、そして北海道ではマイナス5.9度と一層気温が低いことがわかります。
※月平均最低気温とは、1日の最低気温から月の平均最低気温を求めたもののうち一年間で最低の月の気温のことです。
金木犀の耐寒温度はマイナス10度なので、それ以下の温度になる地域では育たないということなんですね。
やはり北海道では最低気温が平均でもマイナス5.9度、ともなるとマイナス10度より寒い日もたくさんありますから、金木犀にとっては寒すぎますもんね。
次は、そんな極寒の北海道でも金木犀を育てる方法として、鉢植えを室内で育てることはできるのか?紹介します。
金木犀は北海道でも鉢植えで室内なら育つ?
北海道でもあたたかい室内なら育てられる、というのは本当でした。
実際に、札幌市にある百合が原公園の温室のなかで金木犀が栽培されていますよ。
つまり、金木犀の体感温度を超えないよう、一定の温度に保つことができれば金木犀は育てられるんですね。
もちろん、ご自宅で温かい室内に鉢植えを置いても育ちますので、その方法を簡単にまとめました。
【用意するもの】
- 金木犀の苗木
- 鉢(8号以上の大きなもの)
- 土(赤玉土7:腐葉土3)
- 鉢底石
【植え方】
- 鉢の底に鉢底石を敷く
- 土を1/2くらいまで入れる
- 苗を入れる
- 苗のまわりに土を入れる
【お世話のしかた】
- 日当たりの良いところで育てる
- 水やりは土の表面が乾いたらたっぷりと
- 2月下旬〜3月に肥料をあたえる
- 寒い季節は室内へ
意外と簡単にできそうですね。わたしも挑戦してみたくなりました。
金木犀が北海道にない理由まとめ
原産地の中国ではお酒やお茶などに使われ、じんちょうげ、くちなしとともに三大香木といわれている金木犀。
金木犀が北海道で育たないのは、金木犀には北海道は寒すぎるという理由でした。
しかし、宮城や秋田あたりまでなら金木犀が育つ地域ということは、ほぼ日本全国で見ることができるということでもありますもんね。
秋の訪れを感じるその香り、特別感もなく味わってましたが、これからはちょっと特別に感じるかもしれませんね。