テレビ番組やネットニュースなどで聞く、アーティストの楽曲が新たに「サブスクリプション解禁」したという話題、今さら聞けないけど…どういう意味なのか?
簡単に説明すると、あるアーティスト(歌手)の楽曲が、サブスクリプションサービスで聴けるようになったことを指します。略して「サブスク解禁」です。
※サブスクリプションサービス:一定額の料金を支払うことでサービス利用できる、この場合は月額いくらで好きなだけ音楽が聴けるサービスのこと。
有名なサブスクリプションアプリでは、Apple MusicやSpotify, Amazon Prime Music, LINE MUSIC などがありますよね。
ここでは、それぞれのサブスクリプションで1再生当たりいくらくらいなのか、また、アーティストにとってのメリット・デメリットをまとめてご紹介。
お金を払っているからと言って、必ずしもアーティストにとってプラスのことだけではありません。
まずは、収入はどれくらい入るのか?から詳しく見ていきましょう。
サブスクリプションでアーティストに入る収入はどれくらい?
近年、サブスクリプションの需要は上昇傾向にあり、さまざまな会社からサブスクアプリが出されています。
サブスクの特徴として、一定額を支払うことで、そのアプリに入っている楽曲は実質聴き放題という状態なので、1曲を聴きながら「この再生はいくらだろう」と考えることはほとんどないですよね。
好みのジャンルの曲が揃っているか、いかにお得に音楽を聴けるか、これらの点がどのサブスクアプリを利用するかを決めるポイントになっていると思います。
が、ここで一度、それぞれ主流なサブスクアプリで曲を再生した場合、1曲当たりいくらくらいの収入がアーティストに渡っているかを確認してみましょう。
Apple Music | 1.0~1.2円 |
Spotify | 0.3~0.5円 |
Amazon Prime Music | 0.3~0.4円 |
LINE MUSIC | 0.7~1.0円 |
AWA | 0.7~0.85円 |
Google Play Music | 0.6~0.8円 |
CD を買った場合の1曲当たりは約8.5円、ダウンロードの場合は1曲当たり約16.6円であることを考えると、上であげたサブスクの利用によるアーティストへの還元額はとても少ないことが分かりますね。
CD離れが進む中、サブスクアプリの利用者は年々増えているようですが、これらのストリーミングがCD収入の代わりになることはまだまだ難しそうです。
続いて、収入面のほかのデメリットとメリットもご紹介します。
サブスクリプションのメリットとデメリットをアーティスト目線でまとめてみた
ここからは、アーティスト側が思うサブスク解禁のメリット・デメリットをまとめてご紹介します。
「お金を払って聴いているのに、デメリットもあるの?!」と思った方こそ、要チェックですよ。
各アーティストや彼らが所属するレーベルが、これらのデメリットを差し引いてもサブスク解禁するメリット、どんな意図でサブスクを解禁しているかがよく分かるはずです。
- 手軽に曲を聴いてもらえるようになる
- 人から人へおすすめされる機会が増える
- 認知度が上がる
- 最近知った人にも昔の曲を聴いてもらえる
- 以前のファンを引き戻すきっかけになる
- 実際の音質で聴いてもらえない
- 円盤化(CD)の需要が下がってしまう
- CDを買ってもらえる機会が減り、収入が落ち込む
- 「どの曲も聴けるからいいや」とライブへの足が遠のく理由にもなりかねない
- ファンの数などが不明確になり、ライブの頻度や会場の規模が需要と一致しにくくなる
この通り、実は、各アーティストがサブスク解禁をするのは「直接的な収入のためではない」ことが見えてきます。
サブスクで楽曲を聴けるようにしてしまうことで、CDの売り上げが下がることを考えると、むしろ収入の面では、デメリットの方が大きいでしょう。
それでも解禁に踏み込むのは、宣伝としての機能を見込むことができるからです。
月額500円~1000円ほどの値段で好きなだけ聴くことのできるサブスクリプション機能で、今まで知らなかったアーティストに出合ったり、以前に聴いていた懐かしのアーティストに再度ハマったりすることが、彼らのCD購入・ライブ参戦につながること。
これがアーティスト側の願う「理想の使い方」なんですね。
まとめ
「サブスクリプションで楽曲が聴けるようになること」をサブスク解禁と呼びます。
アーティスト側は、自分たちの楽曲の認知度を上げ、CD購入やライブに足を運んでもらうための広報活動の一環として提供していることが分かりました。
ライブで生の音楽や人間性に触れるのは、本当に最高の時間ですし、CDは、サブスク音源と比べて、曲の音質の良さは言わずもがな、ジャケット写真や内側のデザイン、歌詞カードにまで、彼らの工夫やアイデアが詰まっています。
とは言っても、サブスクリプションも、消費者にとっては、少し気になっているアーティストの楽曲に手軽に触れることができる便利なサービス。
サブスク解禁をきっかけに、素敵なアーティストを発掘したその後はぜひ、CDやライブチケットをゲットしてみてください!